始まりはドアから

3/7
前へ
/7ページ
次へ
そして、何故か拷問に使うような椅子に縛り付けられていた。 正直、全く訳が分からない。 特に、視線の先にある毛むくじゃら。 恐らくは、クマだろう。 ソレは、唐突に立ち上がりこちらを向いた。 ニメートルはあろうかという巨体に鋭い爪、丸太のような四肢。 そして、美女の顔と首から腹にかけて伸びるジッパー。 ただの変態だな。 「どうも、アクマです♪♪」 しかも、頭を病んでるらしい。 「そんな、痛々しいモノを見るような目はやめてくれませんか」 無理だな。 そう思っていたら次の一言で一瞬我を失ってしまった。 「名無しの権兵衛さん」 言われてみて気付いた。 俺に名前が無いこと、記憶が無いこと。 そして、俺の体は、 マックロなヒトガタだということに。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加