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彼女と過ごすうちに不思議なことに気がついた。
それは彼女と出会って5年もの月日が経っていた。
「シシル」
「なぁに?」
彼女は、庭の林檎をもいで、バスケットの中に入れているところだった。
銀色の髪が陽の光で輝き、白い肌に浮かぶ紅の頬が見える。
私の背はいつの間にか彼女の背を追い越すくらいになっていた。
それが分かるように、私は彼女の頭を優しく撫でた。
「エルエル?」
彼女は出会ったころと同じように美しかった。
「何でもないよ」
笑顔を浮かべた彼女は歳を全くとらなかった。
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