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「昨日、プラムの花が咲いたの。
もう少ししたら実が沢山できるわ」
そう言って彼女が見せた小さな木々には赤い可愛らしい花がいくつも咲いていた。
前屈みに座る彼女の目はいとおしそうに花を見つめていた。
「シシル。
この国の西にあるソリアスにはとても大きなプラムがあるそうだよ」
「まぁ、そこまで食い意地ははって無いわぁ」
眉をひそめ、彼女は口を尖らせた。
コロコロ変わる彼女の表情。
「私がこの国の王になったら君をこの屋敷から出してあげるよ」
「…………エル」
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