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「わかってる。だから、そんな悲しい表情をしないでくれ」
「わかって無いわぁ。何度も言っているけれど私は此処でしか存在できないのよぉ」
「今は無理だろうけど、必ず君を此処から出すよ。それが私の夢なのだから」
「諦めて。それがあなたの為よぉ」
そうなのだ。
不思議なことに彼女はこの屋敷の外へと出ることができない。
誰かに狙われているのだろうとか、身体が病弱なのだろうとか、私は色々想像を巡らせていたがどれも確信には至らなかった。
無理に出そうと幼い頃にせがんだこともあったが無理だった。
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