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「なぁ、エル。貴様、何か隠してることがあるだろ?」
「?、隠すものなんてありませんよ」
嫌らしく口角を上げる彼は私を試すかのように話を続ける。
今この悪の元凶とも呼べるこいつを殴ってでも追い出したら気分が晴れるに違いない。
「白(しら)をきっても無駄だぞ」
「皆目検討つきませんね」
始め彼女のことかとも思ったがそれは周知の事実だ。
幼い頃からの話なのだから知らない者などいないに等しい。
あぁ、彼女が最近植えたばかりの花を踏みつけるんじゃない。
思わず表情が歪む。
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