~アストラル~

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彼女は常に明るく、博識だった。 「ねぇ、これなに?」 「これは、マカルポローネ。 この白い花弁を擦って傷口に塗るとぉ殺菌効果があるんだよぉ」 「ねぇ、これは?」 「これはねぇ……」 彼女は私の質問に必ず答えてくれた。 知らないもの、分からないものを見つける方が難しいだろう。 「ねぇ、何で昔の人は戦いばかりするの?」 「地位があるからだよぉ」 「地位?」 「偉い人は大事だけど地位は何も生まない。そこに利権が生まれるから」 「話し合いじゃダメなの?」 「エルエルは頭がいいねぇ。 みんながそうできたらいいねぇ」 私は彼女といる方が何よりも好きだった。
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