序曲

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ー…ザッザッザッ 人が走る音。場所は暗くわかりにくいが道路だ。四車線か。 『やめてくれぇ!!』 ザシュッ…… ガランッガラン 鉄製の何かを落とす人 『「@君が捕まりました。残り四名」』 『ギギギキュウィーン』 ジャキッ 赤い鬼がいる ――――――… ……りりりりり りッッ 全身を布団で隠し、鉄の音を右手を布団から出して叩く。日常になりつつあるが、前まで目覚まし時計をもっておらず、小学校なんか、集団登校に全然参加していない。 ……なんつー夢だよ…、気持ち悪りぃ…。血なまぐさい光景が蘇る。  目覚の悪い夢をみた、何かを持ち逃げ惑う人を、凶器を持った“人”が追い、殺した。アナウンスみたいな声には“黒君”と言っていた。 わからんな…  いつも夢から覚めれば何を見たかさっぱり忘れるのだが、今回は奇妙な事に新鮮に覚えていた。 正夢とか、まさかな。 でも、あの殺された奴……どっかで見たような、なんかこう、昔とゆうより…最近な………、ま、所詮夢ででっちあげた幻さ  ジャーと泡を含む水を、手で掬(すく)い、息をとめて顔面にあてる。 「ふー」 今日は街に行くんだ、大好きなアーティストのCD発売日だ。  透明なコップに牛乳を注ぎ、カランと揺ら鳴らし、飲み干し、氷を頬張る。 ガリッ
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