0人が本棚に入れています
本棚に追加
博紀は深緑の瞳に睨みつけられ、少しおののいた。「成田…博紀…です…」
しかし、戦士は目に映った景色に驚愕していた。「なっ、なんだここは!?」一面に広がる草原、高く澄み渡る空…青年は後ずさりした。「奴は…どこだ?」動揺し見開いた眼が泳ぐ。「奴はどこだと聞いてるんだ!!」博紀の肩を両手で荒っぽくつかみ、強引に揺さぶる。
「ちょ、ちょちょっと落ち着いて!」博紀は青年の手を払いのけると、冷静に問いかけた。「…誰です?奴って」
青年は博紀の胸を強く押した。「奴って言ったら、あいつしかいないだろ!」
尻餅をついた博紀は「はぁ!?」と顔を歪めると、もう一度問いかけた。「だから誰なの?」
呆れた様子で息を大きく吐くと、青年は言った。「魔王ヴァールだよ」
最初のコメントを投稿しよう!