0人が本棚に入れています
本棚に追加
「…魔王…?」博紀は鼻で笑った。「お兄さんちょっと頭大丈夫?」ゆっくり立ち上がると、景色は一変していた。
あちらこちらで、数え切れない程の人が描かかれていたのだ。中にはまだ書きはじめのものや、色まで付いているものもいる。
どんどん増えていくその数に、青年も息を呑んでいる様子。「ボクも、あんなふうに…現れたのか…?」
博紀はぎこちなく頷いた。「ここが何なのか、あなたが誰なのかさっぱり分からないけど…これだけは…言える」博紀は青年と向き合った。「…ただ事じゃない」
青年は右手を差し出した。真顔で。「ボクの名前はシンタロウ」
博紀はよく分からないが握手しておいた。
最初のコメントを投稿しよう!