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「あの、すいません…」
誰かが話しかけてきたので、二人は振り向いた。そこには、小柄の少女がちょこんと立っていた。暗めの茶色い髪と蒼い瞳をもつ、可憐で気品漂う少女は、申し訳なさそうに、また少し怯えた声で続けた。「これは…一体…?」
シンタロウは少女の頭をぽんと叩くと、しゃがんで優しく言った。「大丈夫、お兄ちゃんが何とかしてやるから」
少女は潤んだ瞳で青年を見つめた。
博紀は腕組みをして辺りを真剣に観察した。「キミが怯えるのはしょうが無いよ。高二のオレもびびってるしな」
「こーに?」少女は首を傾げた。
「ああ、高校二年生ってこと。キミ、名前は?」
「あたしはカリン…あなたは?」
「俺は成田博紀。ヒロキって呼んで!」
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