第一話 超合作

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無色の花ができあがった。影もない。立体なのか平面なのかすら分からないそれは、ひっそりと咲いていた。「なんで、花が…?」少年はしゃがんでじっくり観察した。どこか懐かしい花…しかし、花とかそういうのに無関心だったこともあり、名前はなおさら、その花が見た事のある花なのかそうで無いのかすら分からない中、ある変化が起こる。 茎には明るくて生き生きとした緑色が、二枚の葉には強くて濃い緑色が、花弁には薄く儚げな桃色が彩られた。「色が!」 驚いて立ち上がると、更なる発見が少年の目に飛び込んだ。足元に優しく力強い芝生が描かれていたのだ。そのどれもが青く生き生きとしていて、こうして感動している間にも大地がどんどん広がっていく。 「……」 ただ言葉を失って立ち尽くす。
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