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時は、靴箱から靴を取りだし上履きに履き変えると、自身のクラスへと向かった。
時の通う榊ノ花学園は、まだ歴史の新しい学園と言う事もあり、校舎などは清潔感のある近未来的な雰囲気が漂い、レトロな雰囲気とは程遠いデザインだ。
1階は職員室や物置、自主勉強用のクラスやパソコン室など様々な重要教室があり、他にはBakery Lunchという大型の食堂やカフェテラス、美術などにも使われる花々が飾られた庭などもあり、こちらでは昼休みにはかなり賑わう。
体育館や弓道場など部活に使うための各施設の校舎が渡り廊下を通して繋がっており、各々にしたい事ややりたい事などが尊重されて設備などが完備されている。
しかし、最新鋭の電子のボードやiPadは使わずホワイトボードや紙を使うことで脳の刺激になると考えるなど古き良き考えもある。
クラスはA~Iまでと9クラスあり、1クラスに生徒は30人程度とかなりのマンモス校だ。
時のクラスはCクラスであり、クラスなどは校舎の2階からと変わった作りをしている。
Cクラスの前まで来るとガラガラと戸を開けるが、ドスンと何かが突進してきた。慌てて体制を取り直し、突進してきた人物を支える。
「とーき♪おはよ」
「毎朝毎朝、元気な奴だな……向日葵は」
向日葵と呼ばれた少女、桃丘 向日葵は顔をあげてふてくされた。
薄桃色の背中辺りまでのふわふわとした髪を左に少し結び、向日葵のような黄色い瞳がくりりんとしていて可愛さを引き立てている。小柄な体格で女の子らしく、クラスの男子だけでなく女子の間でも可愛い部類だと思われている。
「時が暗すぎるんだよ~。もっと明るかったらモテてたかもよ?」
向日葵は時から離れると、軽い足取りで時の机へと向かった。座席は一番後ろの窓際にある。
時も自身の席に向かい、鞄を机の横のフックにかけ席に座った。
すると、一人の男子生徒が時の隣の席に座った。
「おはよ時、相変わらずしけた面してるなぁ」
「もー冬ちゃん、いつもいつも、からかわない!時はクールなだけなの!」
「別にクールになった覚えはないけど」
冬ちゃん……柊 冬樹は時の唯一の親友である。
白銀の髪に左右非対称のもみあげ、整った顔立ちにスラリとした体型で長身だ。深いブルーの瞳は深海のように透き通っており見つめていると吸い込まれそうだ。
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