NoticE-告知-

3/4
55人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
 (とき)の要望に、ライトは徐に頷くとゆっくり話始めた。 「まずは何故消えるのか。先程も言いましたが、詳しく説明すると貴方の命の灯火が私へと流れていってしまい、その事によって灯火が小さくなっていくことで長くないからです」 「流れる?」 「…………」  疑問を浮かべる質問に、ライトは答えず無表情で見つめた。  (とき)は、無意識に胸に手を当てる。表情は前髪でよく見えないが、何処か悲しげな様子を漂わせている。  少しの沈黙が続くと、ライトは続けて説明をした。 「次に何時消えるのか。今、丁度昼時ですので今日合わせてあと179時間02分頃に消えます」 「いや、分まで言わなくていい……まじで傷つくから……」  ライトへと左手をかざし右手で顔を隠す。  容赦なく伝えられる状況に、心は呆れと諦めが入り交じり深いため息が漏れる。  ライトは、伸ばされた手を見つめると話を続けた。 「では、最後に何故分かるのか。それは、私は貴方……」  ライトは瞼を瞑り、一拍間をあけるとそっと瞼を開いた。 「………貴方自身だからです」  風が鳴いた。2人の間には重い沈黙がおり、枯れ葉が冷えた風と共に流れ過ぎ去っていく。  子供の声さえ聞こえないのは昼時だからだろうか?  辺りは静まり返り、まるで2人だけの世界になって時が止まってしまったかのようだ。  (とき)は、自身の鼓動が微かに早まるの感じた。 「俺……自身?」  意味が分からなかった。  自分は此処に存在しているのに(とき)本人だと断言するライトの発言の矛盾に疑問を隠せない。この世に自分は一人しかいないはずなのに、ライトはその根本を否定しているからだ。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!