青ノ壹

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 カーテンから入る朝日の眩しさに起きる。布団から出るといつもより寒くてもう一度布団に入りベッドの上で起きるのを躊躇ってみる。  早く起きろ、と俺の行為を咎めるような大人、まぁ両親となる人はいない。俺は昔事故に遭って両親を無くしたらしい。曖昧なのは記憶がないから。気づいた時には一人で当時小三の俺に隣の家の人が助けてくれてなんとか生きてこれた。感謝しきれない。  布団から抜け出し洗面所へ行き冷水で顔を洗う。季節が冬故に洗った頬がしみる。冷たい。  キッチンに行き冷蔵庫から取り出した牛乳をコップに注ぐ。パンを焼き、朝飯を用意する。  テレビを点け某ニュース番組を見る。イジメをテーマに挙げていた。眉間にシワを寄せる。なにが助けたい、だ。自分じゃなくてよかったと心のどこかで安堵しているくせに。言葉だけなんてエゴ。  現に今俺は、いじめというものにあっていたりする。どんなに暴力を受けていても周りは目を逸らし足早に俺から避ける。俺と目を逸らした人の数は手首の傷の数。ああ、汚い。 _
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