3旅目-女の子・男の子・女の子

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『人を見た目で判断するな!』 ――俺が小さい時、母にそう怒られた事があるのを思い出した。 まだ小さかった俺は、怒られている意味も理解できずただひたすらに母の説教を聞いていた。 だが今の俺なら、あの時怒られた意味が解るだろう。 男の子を女の子と思いこんでいた俺なら…。 「おう、リンダ!おかえりー。…てかなんでびしょびしょなんだお前…」 「いろいろあったんだよ!…天使は!…天使はどこいったんだ?!」 あーそうか…。リンダはさっきの彼が彼女だった!…と言う事実は知らないのか。 まったく…コイツはバカだな、人を見た目で判断するなど言語道断だろ。 「天使は…。悪魔になって、用事があるとかで飛んでいったよ」 「すまん、意味がわからん!」 俺の説明は、あながち間違ってはないだろう。 すなわち、この簡潔な説明を理解出来ない…と言うことは、リンダの理解力は皆無に等しいのだろうな。 「哀れだな、リンダよ…」 「すまん、意味がわからん!」
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