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俺は今、家出の準備をしている。
家出なんて初めての俺は、何をどうしたら良いのかわからず、とにかくボストンバックとエナメルバックに着替えは勿論、必要そうな物を詰め込めるだけ詰め込んだ。
「なんだお前その荷物…旅行でも行くのか?」
俺が家出の準備をしていると、妹の由真-ユマが興味本意に聞いてきた。
「ふふふ…聞いて驚け妹よ!兄はな家出するのだ!」
「!!?」
どうだ驚いて、気になって心配になって声も出まい!
さぁ称えろ!称えろ妹よ!勇敢な兄を!
「…いや、家出って準備していくもんじゃなくね?!もっとなんてーかこう、突発的にするもんじゃないの?!…てか何その大荷物?」
因みに中2の妹は中1で既に家出経験済みでした…。
「うるせぇぇえ!部外者は黙ってろ!」
「いや…部外者じゃないし、身内だし…。まぁ気楽に頑張れや!」
完・全に舐められとる!
しかも一切心配されてねぇぇえ!
「心配じゃないのか…俺は家出するんだぞ?家出だぞ?あの家出だぞ?」
「心配?…あー、確かに家出に大荷物持っていくお前の頭は心配だな…。大丈夫か?」
完・全に舐められとる!
母親といい!妹といい!この家の住人は、身内に心配と言う優しい気持ちよせる気は微塵も無いのか?!
もぅいい!…こんな家…こんな家…
「家出してやらぁぁあ!」
「いや、早くしろよ…」
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