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とにかく俺は、大量の荷物を自転車に乗せて縛り上げだ。
「いざ、家を出ると…寂しいな…」
普段友達とかと遊びに行くために、家を出る時は何も感じないのに。
そこに家出と言う名目がつくだけで、これ程にも気持ちが代わるのか…。
「寂しいな…」
くそっ!そんな泣き言言ってる場合か!
俺は憎き家族に
「俺は、キミ達に心配と言う名の素晴らしい感情が芽生えるまでこの家には帰らねー!」
そう叩きつけて来てしまった…。
おそらく俺は一生家に帰れないかもしれない。
ならば!かくなるうえは、道ずれだ!
『プルルル…プルルル』
俺はおもむろにジャージのズボンのポケットからケータイ電話を取り出して、ある男にかけた。
『ピッ』「どうした、ユージン。なんかようか?」
「おう、リンダか!今暇か?暇ならいつもの公園に来てくれないか?」
電話の向こう側の男の名前は、楠田 恭平-クスキダ キョウヘイ。通称・リンダだ。
コイツとは同じ高校の友達で、暇さえあれば良く遊んでいる。
因みにニックネームの由来は、カラオケで絶対にブルーハーツを歌うからだ。
「今いつだと思ってんだ?…夏休み始まったばっかだぜ!暇に決まってるだろ。」
「だろうな…。わかった!なら、直ぐに来てくれ!…あと、金と『もし、無人島に行くとしたら。何を持っていく?』と言う質問の答えだと思う品を持ってきてくれ」
「…良くわからんが、わかった!用意して直ぐに行く。」
「期待してるぜ…この先長いからな…」『ピッ』
まったくバカな奴だ…。
今から家族に何の過ちも起こしてないのに家出するとも知らず『何して遊ぼうかな~♪』とか考えながら来るんだからな…家出するんだよ!!
数分後、バカはやはり楽しげな顔をぶら下げて公園にきた。
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