ワンダーワールド

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「そういえば…」 最初のアトラクションに向かう途中、司が浩一の横で口を開いた。 「テレビで見た程は混雑してませんね。どうしてでしょう?」 「平日だからじゃないか?まぁそれでも多いが…」 「まぁまぁ。こういうのも遊園地の醍醐味じゃないか」 登が浩一の肩に手を置いて笑う。 「そう思えるお前が羨ましいな…」 そう言って浩一は振り向く。 渋谷と友美は何やら二人で話している。 瑠美と葉月も同じだ。 余談だが、瑠美と葉月は仲がいい。 よく二人でショッピングなどに行っている。 だがそのせいで瑠美の趣味が古くなってしまい、焼き物が増えて浩一は困っていた。 一度価値のある皿を割った時は、瑠美は本当に激昂して家出しかけた。 スイーツで機嫌は治ったが…。 「浩一、どうかしたか?」 「いや何も」 浩一は前を向いた。
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