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「浩一~?」
「………」
「…ん~」
瑠美はゆっくりと浩一に顔を近付ける。
唇が触れる瞬間…
ガシッ
「…気付いてらして?」
「当たり前だ、バカかお前は」
浩一は瑠美の顔を掴み、自身から遠ざける。
「ちぇ、いけると思ったんだけどな。何か考え事?」
「ああ、五年前のことを少し…な」
「浩一…」
瑠美は黙って浩一の隣に腰を下ろした。
「大丈夫…?」
「…ああ」
「思い…出しちゃったの?」
「今まで忘れたことはない、簡単に…過去は消せないからな…」
瑠美は顔を伏せたが、すぐに浩一を見つめた。
「大丈夫だよ、私がいるじゃん!私は…浩一のそばから離れないよ」
「…ありがとな、瑠美」
浩一は瑠美の頭を優しく撫でた。
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