五年後

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浩一と瑠美は大学に行く準備を済ませ、部屋を出た。 夏休みとはいえ、今日は大事なサークルの会議。 議題はもちろん卒業旅行の行き先だ。 「旅行どこ行こうか~」 「それはお前が決めることだ、部長さん」 「自分が祭り上げたくせに…」 瑠美は口を膨らませる。 部長を決める際、当初は浩一を推す声が多かった。 しかし… 「バカ、お前らはこいつのポテンシャルを知らないな」 と、浩一が瑠美を褒め倒した。 その内容は恋人のノロケにしか聞こえず、瑠美は嬉しいやら恥ずかしいやら複雑な心境だった。 しかし他の部員にはそうは聞こえず、全員が瑠美の知られざる潜在能力を信じてしまい、今に至る。 「私、浩一のせいで凄い偉人みたいな扱い受けたんだよ!」 「いいことじゃないか」 「むううう…」 瑠美は再び口を膨らませた。
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