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浩一と瑠美は大学に行く準備を済ませ、部屋を出た。
夏休みとはいえ、今日は大事なサークルの会議。
議題はもちろん卒業旅行の行き先だ。
「旅行どこ行こうか~」
「それはお前が決めることだ、部長さん」
「自分が祭り上げたくせに…」
瑠美は口を膨らませる。
部長を決める際、当初は浩一を推す声が多かった。
しかし…
「バカ、お前らはこいつのポテンシャルを知らないな」
と、浩一が瑠美を褒め倒した。
その内容は恋人のノロケにしか聞こえず、瑠美は嬉しいやら恥ずかしいやら複雑な心境だった。
しかし他の部員にはそうは聞こえず、全員が瑠美の知られざる潜在能力を信じてしまい、今に至る。
「私、浩一のせいで凄い偉人みたいな扱い受けたんだよ!」
「いいことじゃないか」
「むううう…」
瑠美は再び口を膨らませた。
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