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そして5年経った今、日本にはテロリストグループが、多数残っている。
その理由は、日本が戦時中に“希望”を見いだしてしまった事にある。
数多の敗戦国が有る中で、意外にも日本はライトニング帝国の攻撃を一年間も、耐えたのだ。
絨毯爆撃のような、数と機動力に物を言わせた攻撃の中、小さいながらも日本が二つの勝利を上げたのがその理由だ。
一つは“金獅子[キンジシ]”と呼ばれる男の部隊だ。
開戦と同時に日本は自衛隊の中から、天皇家を守るために護衛軍を発足[ホッソク]。
その一班長であった草獅子准尉が、富士の樹海の中で進軍するエグゼクト部隊を退[シリゾ]けたのだ。
それから彼等は富士山麓[サンロク]で半年もの間、天皇家の子供達を匿[カクマ]うことになり、それが終戦を遅らせた。
この男が後に金獅子と呼ばれ、そして今尚[イマナオ]ライトニングの軍から逃げ続けているのが、一つの“希望”となっている。
もう一つは“神隠し”
近畿地方に進軍したエグゼクト部隊が、ことごとく消息が分からなくなったのが事の発端だ。
そうして消えたエグゼクトは、大抵一月程してからバラバラに壊れた鉄くずとなって発見された。
その理解不能な事件には多くのエグゼクトが投入されたが、結果はいつも同じであった。
そしてその事件が京都を含む近畿地方で起きた為、それは“神隠し”と呼ばれ、日本人の中には今でも、再び奇跡が起きるのを待ちわびている人々も少なくない。
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