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「ここってなんなんですか?」
気温が段々と上がっていく部屋の中で、伊織は腕をまくりながら聞いた。
動きやすいショートパンツに、上は厚手の長袖に革製の防護袖を重ねている。これが戦闘時ならともかく、普段はなかなか暑かったりする。
「多分古い研究所ね」
答えるのは4つ年上の、桜芽という女性だ。
伊織と違って近接戦闘は苦手だが、射撃の腕はグループ随一だ。
その為服装も伊織よりも軽装で、半袖に七分丈のズボンを履き、髪も肩より少し伸ばしている。
特徴的なのは両脇のホルスターに差した二丁の拳銃と、腰に下げたサブマシンガン。そして背中に背負った、分解された長距離用エナジーライフルだ。
エレメント石を使ったエナジーライフルは、戦車やエグゼクトにも有効な2m程の長身ライフルだ。
特徴は命中と同時に爆散し対象を破壊する威力だが、余りに長身な為使う時には組み立てて地面に固定する必要がある。
こんな物を持っている為、桜芽はそれ以外は出来る限り軽装備だ。
「さっき他の建物に電気が着いてたから、ここも着くかもしれないわね。ここまで暗いと、出口があっても分からないわよ」
「バレませんか?」
「出られなかったら、死ぬのは変わりないわよ」
相変わらずサッパリした考え方に、伊織はまた苦笑しながらその言葉に従った。
壁伝いに手探りでゆっくりと歩きながら、電気のスイッチを探していく。
果たして研究所の電気が、家庭用と同じ様な形で付いているのか疑問だったが、とりあえず明かりになるような物が見つかればそれでいい。
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