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何度も折れ曲がる階段を降りると、下には再び扉が有った。 が、その扉は普通の扉では無かった。 大型冷蔵庫か蔵の扉かというような、厚さ15cm程もある重厚[ジュウコウ]な物だ。 素材も金属の枠組みに嵌め込んだ一枚の厚い鉄板のような、いかにも重く固く、厳重な作りになっている。 「…なんか開けたくないんですけど」 「キマイラとか居そうねー」 扉の開閉スイッチを手に掛ける伊織の後ろから、テレビを見ながらお煎餅をかじりつつ言ったような声が返ってきた。 …その場合自分はどうすれば良いんだ? と考えながら、伊織は嫌々スイッチを押した。 ゴウン、という音と共に扉が手前に開く。 隙間に手を入れて部屋をのぞき込むと、真っ暗な部屋には灯りは全く無かった。 とりあえず、人の気配は無い。 二人は中に入ると、上の階と同じように電気を探した。 そして今度も、見つけたのは伊織だった。 少し嬉しく思いながら、伊織はすぐに電気のスイッチを入れた。 しかし、部屋は明るくならなかった。 「…あれ?」 伊織は首を捻り、天井を見上げてからもう一度スイッチを押そうとしたが、それを遮[サエギ]ったのは落ちた銃が地面にぶつかる、カッカ!!という音だった。 「桜芽さん?」 振り返ると桜芽が伊織に、背中を向けて立っている。そしてその向こうには、部屋を照らすには薄暗い、弱い光があった。 桜芽を避けて右に動くと、伊織にもソレが見えた。
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