Mission-1

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月明かりが周囲を照らす。全てがハイテク化された都市とは違い、草木が茂る田舎にそれは居た。川には透明な水が流れ、蛙や鈴虫が、リズミカルに合唱している。 「ここだ。フラッシュバン(閃光手榴弾)は使うな。突入の手順は、ブリーフィング通りに行う。失敗は許されないぞ?」 一つ離れの民家に、全身を黒の戦闘服を着た集団が取り囲む。手にはロシア製のアサルトライフル(自動小銃、弾を連続で発射できる銃器)が握られていた。そして、顔を隠す様に目出し帽を装着している。 黒い戦闘服は、闇に溶け、集団の存在を曖昧にしている。ーーそして、一人のハンドシグナル(手話の様な仕草)で、全員が銃を構えた。 「三、二、一・・・」 木製のドアの蝶番の部分に数発撃ち込むと、足で強烈に蹴り破る。 ーーだが、民家は内側から爆発する。
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