あのころ

被害者

友達との談笑で、私が笑えば

あいつが乗り出してきて

『笑顔がキモい。笑わないでくれない』と言われ

私が授業で先生からの質問に答えたら

クスクスと笑い声が聞こえてきて

『話し方が気持ち悪い』と言われた。

クラスの皆に聞こえる声で言われ、周りからは同調とも思えるような、同情にも感じられるような…冷たい空気が流れていた。
先生は聞こえないふりをする。

私は恥ずかしさと虚しさでいっぱいになった。

私がなにか…悪いことをしたんだろうか？
気持ちがわるいから…？

些細な言葉が刃のように突き刺さるのだ。これ以上傷つきたくない。聞きたくない。辱める声も、笑い声も…耳を塞ぎたくなる。

笑わなきゃ…何も言われなくて済む？喋らなければイジメられなくて済む？

次第に私は、積極的に笑うことも話すことも出来なくなっていった。