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『おい、てめーら速く席着けー』 ダルそうな声と共に2人が教室に入ってきた。先生と…兎川だ。 兎川が教室に入るや否や女子のヒソヒソ話が聞こえる。 『え、転校生超カッコ良くない?』 『うんうん!軽そうだけど一人を大切にしそうみたいな!』 『彼氏にしたーい』 ……アレのどこが良いんだか。まぁ、容姿はイイけどさ… 心の中で悪態(?)をついて、視線を先生に向ける。 『あー、HRを始める……が、その前に転校生の紹介すんぞ。 兎川彼方君だ、適当に仲良くしろ。 席は…そうだな、窓側の一番後ろが空いてる、そこに座れ。 あ、自己紹介も頼む』 先生が一息に話終えたあと、兎川はいかにも営業スマイルといわんばかりの笑顔を浮かべて口をゆっくり開く。 『兎川彼方です。まだまだ解らないことばかりなので、迷惑かけてしまうかもしれませんが、どうぞよろしく』 最後にニコッと女子に微笑むと、黄色い歓声が上がった。
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