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肩を落としている兎川を横目に見て、俺は一人、ゆっくりと校舎を後にした。 『櫻君』 校門あたりに差し掛かった時、耳元で俺の名前を囁く声が聞こえた。 反射的に振り返ると、長身の男がニコニコして近距離に立っていた。 『……畑山先輩』 畑山 悠莉(ハタヤマ ユウリ)、その人だった。 生徒会書記。3年首席。 醸し出すエロスな雰囲気に触発されて喰われた男女も少なくないとか、そんな色恋沙汰の噂が絶えない人である。
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