9人が本棚に入れています
本棚に追加
さて、久しぶりな人は久しぶり、初めましてな人は初めまして、道化師道守傾です。
まあ、つい数ページ前で顔を見せていることですし、久しぶりも初めましてもないのですが。
まあ、他作品の主人公と話していたので、ご存じであられるかと思いますが、オレが鈴と亮から相談を受ける以前にあった、オレ自身の数奇な体験談を、ここに、赤裸々に語っていこうと思います。
この奇譚を語るうえで、この整えた口調は少々勝手が悪いので、崩させていただきますが、悪しからず。
まあ、これは『作者』の現実の友人に言われたことでもあるのだが、何人かも思ったのではないだろうか?
オレが、やたらと世界を達観気味に見ていると。
周囲の連中と比べて、精神年齢が高めではないかと。
『作者』の友人は、「ませている」と言っていたそうだ。
そう言われるようになるまでに至ったのには、やはりそれなりの人生経験を積んだから、としか言いようがないのだが。
決して、後付け設定ではないので、野暮ったい思考や、下品な勘繰りは捨てていただけるとありがたい。
ふむ……。さて、何から話したものか……。
知っている人は知っているのだろうが、オレは何も『恋愛ピエロシリーズ』にのみ出ているわけではない。
『作者の作品』の世界は、時系列こそずれてはいるものの、空間的な話であれば、同じ世界なのだから。
とある殺し屋とライトノベル作家の姉弟に、金持ちの令嬢が出てくる物語においても、オレは存在している。
その立ち位置に至るには、『片恋ピエロ』の中で出逢った、或いは出遭った、神上知己先輩――通称『脳神』が深く関わっているのだ。
あの得体の知れない情報屋紛いな人は、まあ、とても奇妙な雰囲気があるのだが。あの人と知り合ってからも、オレの奇譚はより一層濃くなっていったのだが、なにも、神上先輩と出逢う以前のオレの奇譚が、奇妙さにおいてその後の奇譚に劣っているとは、生憎思えない。むしろ、知り合う以前の方が、奇妙を通り越して異常な体験談が多いと言えるだろう。
『恋愛ピエロシリーズ』に、名こそでないが、確かにオレの記憶に残っていることだ。
最初のコメントを投稿しよう!