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その後も一進一退の攻防が続いたが、なかなか俺はボールに手を触れることができなかった…。
そんな中、後半の折り返しのタイミングに筒井からパスが来た。
俺はすかさずパス相手がいないか探したが、出せそうもなかったので、シュートを打った。
ボールがコートの上を飛んでいき、ゴールに吸い込まれるように入った…。
(よっしゃあ~!入った!)
そしてそれが最後の得点だった。なぜなら交代したからだった。
それ以降はベンチでゲームを眺めていた。ガードもフォワードもセンターもみんな上手だった。
「そこそこよかったで。」
「入ったらいいんじゃない?」
などと言われたが、あまりのみんなのうまさに言葉が出ず、ためらっていたのだ。
俺は確かにミニバスをやっていた。中学でもバスケをやっていた。
それでもついていくのが精一杯。
こんな悔しさは高校に来てまで味わいたくはない。
(バスケ部に入るのは止めよう。)
そう心に誓った。
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