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それは中学最後の地区予選。
俺にもでるチャンスが与えられた。
3ピリ残り5分。点差は10点リード。普通になんなく役目をこなし、5分で代わるつもりだった。
しかし、相手が戦法を変えてきたのだ。ゾーンからオールで攻めてきたのだ。
俺は1番オールが苦手であると思っていた。だから体が硬直してしまい、いつもよりさらに動きが鈍くなった。
そのためあっと言う間に逆転されてしまった。
俺はすぐに代えられ、ベンチに戻された。
逆転された原因は全て俺から始まるパスミスだった。
さらに悪いことに、相手のチームは味をしめたのか、どんどんオールで攻めてきて、4ピリ残り5分には逆に10点差つけられてしまった。
味方は全員オールの対応に疲れており、どうしようもなかった。
俺は皆に責められると思った。最後の地区予選1回戦で負けたのは濱崎のせいだと言われると思った。
しかし、皆は俺を一秒たりとも責めなかった。
ただ自分が恥ずかしかった。最後くらいチームに貢献したかった。
この試合をもって中学3年は引退だった。
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