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「え?えー!待って!待ってください、そんなわけない!!!!!」
こんな姿で家に帰れるわけがない。
帰る最中も、帰ってからも、思いやられるばかりである。
「だよな。」
男は振り返って少し笑った。
そしてわたしの元に戻ってくると「はい。」と自らの手を差し延べた。
「…え?」
「どうぞ。」
男はなんともないような顔をして、汚く濡れたわたしに手を差し延べている。
わたしは面食らった。
池に落ちて、わたしの手は汚い。
小綺麗にしてある男を、その大きくて白い手を、汚すのは憚られた。
池の縁の岩に左足をかけ、恐る恐る彼の差し延べた手の近くまで腕を伸ばすと、それに触れる前に彼がわたしの手を迎えに来、わたしは強い力で引き上げられた。
水に濡れて重たくなったわたしの体が、
ふわりと持ち上がる。
しっかりと握られた手。
(ごめんなさい。)
そんな自責の念よりも何よりも、わたしは高鳴りのやまない胸に意識の中枢を持っていかれていた。
(なんだこれ…………)
握ったことのない男性の手――
心の中で何かがころんと音をたてた。
そうして右足が地面に到達する頃にはこう感じていた。
女子校生徒、チョロい(´;∀;`)wwww
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