試されるとき

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カヌーの後ろ虹、現る。 「やべえぞ!」漁船は猛烈な勢いで引き揚げてった。 その虹の影の正体がクリスティーヌに魅えたからだ。 コヤツに向かって敵ではないと言ったのは社交辞令に過ぎない単なる挨拶だ、コヤツの目にはメラメラ炎が焚かれていたからだ、危ない奴。誠の腹は「我らの敵!」企みを宿す目を持つ魅力的なる者よ「我らの敵!」心を伏せて漁師たちは体を脱ぎ捨てお姫様ダッコをしカヌーに乗せ全身マッツァオで手を振ったのだ。 アンテナが漁船を無人島へ導く。 笑みを浮かべた潮の流れに乗る、幸せそうに魚たちが泳いでる。 いま新たなる人類の歴史がそこ、無人島で切り開かれるのだ。
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