おっさんと少年

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「ふん。キミにはいずれ、おっさんの神秘について講義させてもらいますわマスワ・・・!」 「全力で拒否させてもらうぜ。」 しばらく、キリキリと奥歯を噛みしめるプリッツだったが、続けて、 「まぁ。ボクの趣味はしばらく置いといて、キミがボクの助手になった時の待遇面について述べても いいかにゃ?」 「俺は一言もオマエの助手になるとは言って無いけどな。まぁ、参考までにどうぞ。」 「まず、キミが助手を宣言した瞬間から、キミの死亡フラグを一時的に解除します。」 「それってつまり、セーブ前データーから引き継いで復活するっつー事か?」 「ノンノン。その方法だとボクとの出会いまでデリートされてしまうので意味が無い。ので、死亡分岐を二股に差し替え、新しいチャートを構築するでぇす」 「なんだか、チートみたいで気が引けるな・・・。」 「大丈夫、ミッション終了と同時にちゃんと死亡エンディングに導くから」 「単なる延命処置って事だな。まーどうでも良いけど」 「で、全てが終わった日には(ここ重要)→『賞与』もちゃんと用意してあるのだぁ!」 「ほー。それは遣り甲斐があるな!」 「でしょぉ?ちなみに、賞与の内容は『おっさんの詰め合わせ5年分』と『生まれる所からやりなおしチケット』です!きゃっきゃっ!出血大サービスの太っ腹ぁ!」 「断る!!」  一人で盛り上がるプリッツに即答する俺。 「えー?えー?これだけの好条件を断るなんて、意味わかんない!」 「どこが、好条件だ。むしろ罰ゲームじゃねーかよ。5年分のおっさんってどんなだよ!?生まれる所からやり直して、おっさんに囲まれた子供時代を過ごすなんてごめんだぜ!」 「はぁ~?何いってるの?ああそうか。心配しなくてもダイジョーブ。おっさんは1個づつアルミパックに梱包されて使う分だけ取り出せて、経済的!しかも合成着色料は一切つかってなくて安全だよ」 そう言って親指を立てるプリッツ。 「梱包されてる時点で死骸じゃねーか、そもそもおっさんの人権も尊重してやれよ」 「失敬な!ボクはいかなる時もおっさんを無下にしたりはしない。ちなみに、ボクのお勧めは旅行先にも携帯できる、おっさんダブレットだよ!噛まずに飲めて便利なんだぁ。」 「箱詰めされるは、切り刻まれるは、散々だなおっさん・・・。」 工場で加工される、おっさんの集団を想像して呟く。
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