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「話は戻すけど、一時的とはいえ、キミは少しでも生きながらえたいとは思わないの?」
「思わないね。」
「にょにょー?言い切っちゃうのか!キミって本当に人間なの?」
「さーな。俺もたまに自分で自分を疑う時あるよ。本当はミジンコやアメーバーなのじゃ無いかってな。そもそも、生きることに意味なんてあるのか?」
俺の質問に目を丸くするプリッツだが、俺は嘘は付いていない、純粋にそう思っている。
「キミってば、初めから死んでいたのかも知れないケロ!」
「誰が、うまい事言えって言ったんだよ」
そう、切り返してプリッツに突っ込みを入れようと、右腕を掲げた所で、俺は初めて異変に気づく。
「なんじゃこれ?俺の手が消えてる、というか、脚はいずこへ?」
「それは、キミの脳細胞が壊死して行ってるからだよぉ。さっき言ったでしょ?時間が無いってさ。ここはあの世じゃなく、ボクがキミの脳に取付いて、キミの記憶を利用してキミと対話しやすい空間を作りあげていたのさ。」
プリッツはそう言って蛇腹の腹巻から、タブレット型端末を取り出して、俺に確認できるように画面をこちら側に向けた。
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