おっさんと少年

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「ここは、あの世で、オマエは天使か死神の類なんだろ?」 「うーん。属性で分類すると、それに近しいけれども、ボクはその類の種族ではない。それに、君はまだ完全に死んだ訳では無いよぉ」 歯切れ悪く返事をする変質者な少女に構わず、続けて、 「そーかい。まぁ。どっちにしても俺にとっては無意味でどうでも良い事だ」 「ふぉぇ?」 「泣いたり、喚いたりした所で、現状が変わる訳では無いし、俺は死んじまったなら、それはそれで 仕方がない事だと思っている。だから、今更、騒いだ所て無駄だ。第一、恰好が悪いぜ」 「それはキミの本心なの?」 「もちろん。俺はもう、この世の不条理さに飽き飽きしているのさ、だから地獄でも何処でも連れて行きやがれ」     俺の答えを聞いて、一瞬、変質者な少女の口元に笑みが浮かんだように見えたが、確認する前には笑みは消えていて、代わり真顔で、こう切り返した。 「そうそう。言い忘れてたけど、ボクの名前はプリッツ。夢機関の凄腕エージェントさ」 「どうした?藪から棒に?まぁ、その夢機関とやらは初耳だが俺の名前は・・・・。」 「「嘉藤 正太郎。(かとう しょうたろう)」」 俺の言葉に被せてプリッツが言った。 「なんで俺の名前を?」 「ボクはキミの言う天使や死神の属性に近しい存在だよ。名前をあてるくらい造作ないさね」  得意げに鼻を高くするプリッツ。 「おっさんのコスで自信満々に言われてもギャグにしか見えないな」 すかさず突っ込みを入れてみる。 「にょぁぁ!茶かすの禁止ぃ!それに、コスじゃなくて戦闘服だっちゅぅ~の!」  心底悔しそうに両腕をグルグル回して抗議するプリッツに、少しだけ親近感が芽生える。
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