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「やったー!」
悠紀はアンジュが言ったこと、保育所等を断られた事の理由も分かった。悠紀はアンジュを抱えると笑みを見せた。
『明日はパパと来てほしいな』
「パパと?」
『うん。パパと3人で遊びたいな』
「いいよ!パパとくるね」
2人は指切りしてアンジュを下ろした。父親は全ての事を目を丸くして見ている。悠紀はそっとアンジュの耳を塞ぐと小さな声で告げた。
『もし、1人で出そうになったら私が遊んでくれないと言って下さい』
「分かりました」
耳を塞がれたまま不思議そうに悠紀を見上げている。笑みを見せると抑えていた手を離した。
「ゆうきちゃん、あんじゅのことこわくない?」
『全然!凄く可愛いよ』
「ゆうきちゃん…」
抱き付き泣き出してしまった。膝を地面に付け強く抱きしめた温もりを伝えた。父親はその光景をジッと見ている。
アンジュが泣き止んだ時には辺りは暗くなり、街灯が3人を照らしている。離れると父親の方へ返した。アンジュは悠紀をジッと見ている。
「バイバイ…」
『また明日ね』
「うん!」
父親の腕に抱かれ帰っていく姿を手を振り見ている。周りに言えば「またお節介焼き」と言われるのは間違いない。
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