第1章 出会い

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「やったー!」  悠紀はアンジュが言ったこと、保育所等を断られた事の理由も分かった。悠紀はアンジュを抱えると笑みを見せた。 『明日はパパと来てほしいな』 「パパと?」 『うん。パパと3人で遊びたいな』 「いいよ!パパとくるね」  2人は指切りしてアンジュを下ろした。父親は全ての事を目を丸くして見ている。悠紀はそっとアンジュの耳を塞ぐと小さな声で告げた。 『もし、1人で出そうになったら私が遊んでくれないと言って下さい』 「分かりました」  耳を塞がれたまま不思議そうに悠紀を見上げている。笑みを見せると抑えていた手を離した。 「ゆうきちゃん、あんじゅのことこわくない?」 『全然!凄く可愛いよ』 「ゆうきちゃん…」  抱き付き泣き出してしまった。膝を地面に付け強く抱きしめた温もりを伝えた。父親はその光景をジッと見ている。  アンジュが泣き止んだ時には辺りは暗くなり、街灯が3人を照らしている。離れると父親の方へ返した。アンジュは悠紀をジッと見ている。 「バイバイ…」 『また明日ね』 「うん!」  父親の腕に抱かれ帰っていく姿を手を振り見ている。周りに言えば「またお節介焼き」と言われるのは間違いない。
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