お世話係は幽霊

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門の前に誰かがいる。辺りに電灯がないため、この距離では人がいるとしかわからない。 耀はゆっくりと近づいて行き、近づくにつれてだんだんと輪郭がはっきりしてきた。 後ろ姿ではあるが、髪や体つきから女性だとわかり、服装も昨日見たメイド服である。 「あの・・・すみません。」 手が届きそうな距離で耀は彼女に話し掛ける。 聞こえてないはずはないのだが、彼女はただ耀の家の方を向いているだけで、耀の発言に対してこれといった反応は見られなかった。 「あの!すみません!」 耀はさっきよりも大きな声で言ってみる。すると彼女はビクッと体を震わせ、耀の方に振り返り、辺りをキョロキョロを見渡す。 そして、彼女は自分の顔に人差し指を向けて耀に自信なさげな顔向ける。 それに対して耀は無言で首を縦に振った。
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