お世話係は幽霊

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約一年前、高校一年生の耀は学校での授業を終え、家に向かっていた。 一緒に帰っていた友達が部活に入って以降、帰宅部の耀は一人で帰るようになった。 もちろん今日も一人である。 人通りもそこそこあり、学校帰りの小学生や、近くのスーパーへ買い物に行く主婦、散歩をしているだろうお年寄りの方など、いろんな人が行き交う道だった。 耀のいる場所から、数十メートル先にいる人々を他の人が見れば、不思議に思っただろう。人々が道のある所を避けているように歩いていたのだ。 しかし、耀は何とも思わなかった。 耀には、人々が避けている所────道の真ん中から少しはずれた所に、一人の女性が佇んでいるが見えていたからだ。
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