7人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
彼女はこの状況に慣れている様子だった。
人々の様子に疑問を持ちながらも、耀はそんな格好をした人と関わりたくないと思ったのだろう。
彼女に話しかけることもなく、その場を後にする。
ただ、その時──彼女の前を通り過ぎた時、彼女の顔が一瞬悲しそうな表情になったのを耀は見たのだった。
もし、耀が自分の力に気付いていれば、すぐに駆け寄って話しかけただろう。
しかし、それは無理というものだ。耀にとってこれが初めてだったのだ。
それでも、彼女が──幽霊が耀のイメージと合っていれば耀の行動は違っていたかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!