お世話係は幽霊

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彼女はこの状況に慣れている様子だった。 人々の様子に疑問を持ちながらも、耀はそんな格好をした人と関わりたくないと思ったのだろう。 彼女に話しかけることもなく、その場を後にする。 ただ、その時──彼女の前を通り過ぎた時、彼女の顔が一瞬悲しそうな表情になったのを耀は見たのだった。 もし、耀が自分の力に気付いていれば、すぐに駆け寄って話しかけただろう。 しかし、それは無理というものだ。耀にとってこれが初めてだったのだ。 それでも、彼女が──幽霊が耀のイメージと合っていれば耀の行動は違っていたかもしれない。
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