お世話係は幽霊

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「明後日の準備は出来たの?」 「うん。ばっちり。」 耀の問いかけに美那は服を叩きながら答える。 身長は耀よりも頭一つ分小さく、黒い髪は肩より少し長くパーマがかかっている。顔は整ってはいるが、童顔であるため綺麗というより可愛いという言葉が相応しい。 耀と一緒に外を歩けば、美那のことを知らない人が見ると、耀の彼女か妹に見えるだろう。 「本当に一人で大丈夫?」 美那は耀に抱きつき、上目遣いで聞いてくる。他の男なら、その顔で一発で落ちるだろう。しかし、耀にとっては母親だ。もちろんそんなことはない。 ちなみに、耀の父親はこれで落ちたらしい。 「大丈夫だって。母さんは僕のことを気にせずお父さんについて行けばいいよ。」 耀はそう言いながら、美那の頭を撫でる。母親の頭を撫でるというのは、何ともおかしな行動ではあるが、これが一番説得するのに有効であるのを耀は知っているのだ。
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