お世話係は幽霊

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「そうだね。うん。耀君が大丈夫って言うんなら間違いないよね!あっ、夕飯の買い物行くんだった!耀君ちょっと行って来るねー。」 そう言って、美那は買い物に出掛けた。それを見送った耀は自分の部屋に向かった。 耀の部屋には勉強机と椅子、教科書などが入っている本棚、ベッドという必要最低限の物しか置かれていない。 シンプルといえば確かにそうだが、部屋が広いためか物寂しさを感じさせる。 耀は机の上に鞄を置き、リビングへと向かった。 耀はテーブルの上に美那が買う物を書いたメモがあるのを見つけるが、気にすることもなくソファーに寝転ぶ。 美那がメモを書いたのはいいが、持って行くのを忘れるのはよくあることなのだ。そもそも、忘れずにメモを持って行ったのを耀は一度も見たことがない。 ごみ箱の紙くずのほとんどが、美那に有効利用されなかったメモだったりする。 特にやることのない耀は、ただぼんやりと白い天井を見ているとき、ふと帰りのことを思い出した。 「あの人・・・悲しそう顔してたな・・・。」
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