*0Light* 俺の世界、君の過去。

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「お前ら、何やってんの?」 よし!これで勝つる! ヒロの強さは 皆知ってるしな!! 「だよな!! みんな冗談が すぎ「全部脱がせとけっつったろ」 「…え?」 お前まで、何言って… 「お前ら、腕 つかまえとけ。 あ、晃太は扉の前で 見張ってろ。」 「…な、に……?」 再び2人に腕を つかまれ、身動きが とれない。 「なあ、明…」 腕をつかまれ 床の上に座りこんでいる 俺の前にかがみ、 ふと笑いかけるヒロ。 「ツインテ、可愛いね。 似合ってるよ。」 髪を触られ、 ビクッと肩が動く。 「…んな顔すんなよ。 なあ、お前さ。」 「…?」 「俺がお前のこと 好きって、気付いてた?」 「…俺も、好きだよ…?」 いまさら、何を言って… 「それは違う。 …なら俺が ずっとこうしたいって 思ってたことは?」 「え?何が… わけわかんねぇよ…」 知らない。 そんなこと、知らない。 知りたくない。 俺はいつまでも、 お前たちと一緒に いられれば…… 「ずっとこうしたかった…」 「ずっ、と…?」 「ああ。声をかけて 友達になった、あの日から」 『俺、山本弘樹! ヒロって呼べよ!! 一緒に話そーぜっ!明!!』 『ヒロ…? …おう!よろしくな!!』 「お、まえ…は……」 「ん?」 「お前は俺に、 こんなことをするために 友達になった、のか…?」 ―お願いだ。 あの日の笑顔を 偽物にしないでくれ。 あの日の出会いを 汚さないでくれよ。 「…そうだ。 ちなみに俺だけじゃない。 颯太たちもだ。」 「な…」 頭が、真っ白になる。 ―嘘だ。 「ずっと親友だって、 仲間だって… 言ってたのに…っ」 「……。」 「お前たち、は…」 目の前が涙で霞む。 怖いからじゃない。 痛いからじゃない。 ―悔しいんだ。 「お前たちは…っ 俺を裏切らないって…! いつまでも親友だって… そう誓ったじゃないか…!!」 拳を痛いほど 握り締める。 手の平に爪が食い込む。 「…さあな。もういいか? 話なら明日きくから。」 泣き叫ぶ俺に ヒロは平然と答えた。 動揺して、 目の前の事実を まだ受け入れられない。 ヒロは俺のツインテールを ほどいた。 「や、だ… やめろよ!!!なあ…っ」 「やめない。 もう諦めてよ。」 ―…この日まで俺は 知らなかったんだ。 "親友"という 言葉の重みを。 俺たちを繋いでいたのは 確かな絆なんて ものではなく。 ただの欲だったんだ。 .image=440698322.jpg
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