*1Light* 急展開、凶展開。

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―…気がつけば 俺はソファに座っていた。 『生徒会室』の。 なぜか、今考えても 本当にわからないけれど、 差し出された手を 握った俺はその後。 自称生徒会長の先輩に 成すがままにされ、 この、全てが高級そうな 生徒会室に案内された。 (やべー…マジで 生徒会長だったら どうしよう。) なんて不安が 今さら襲う。 俺は平和に、 普通に生活したい。 こんな馬鹿みたいな ことで生徒会に 目をつけられたりなんか したくない。 俺をここにつれてきた 本人はというと、 「いやー、悪かったってー でもおかげで…」 携帯電話を片手に 窓辺で誰かと 話している。 ここに来てもう 30分以上は 経っている。 入学式は、もうあと 30分も経たないうちに 終わるだろう… なんて時計を見ながら ぼんやり考えていると 「じゃあ、行こうか。」 電話を終えたらしい 自称(以下略)の先輩が また手を伸ばしてきた。 「…どこにですか?」 差し出された手を じっと見つめ、 俺はきく。 まさか、今さら 入学式に行くなんて こと「入学式だよー」 そのまさかでした。 「今さら行っても…」 意味ないんじゃ、と 俺が言う前に、 先輩はニコリと笑い 俺の手を無理矢理 握り引っ張る。 「なに…」 「言ったでしょ? 俺が本当に生徒会長 だってこと 証明する、って。」 ああ、そう… いやでもこの手は 握る必要無いんじゃないか と思っていると 「逃がさないためにね。」 と先輩は笑った。 …にっこり笑ってる 彼を見て、 何故か嫌な予感しか しない俺は 行きたくない、と 思いつつも 生徒会室を後にした。 .
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