*1Light* 急展開、凶展開。

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「え?何を…」 こんなステージ裏に 連れてきて、 一体何を始めると いうのか。 わけがわからない、と ただただ戸惑う俺に 「じゃ、頑張ってね。」 と、電話できいた 低い声の方の先輩が 言って、頭を撫でてきた。 そしてその先輩は ステージに続く階段を 一気に駆け上り、 ステージの中央に立った。 すると今までの静けさが 嘘だったかのように、 黄色い歓声があがる。 (…ッうるさ… …ここ男子校…だよな……) きこえる声は キャーだとか 王子ーだとか、 抱いてー……だとか もうめちゃくちゃだ。 …今のこの状況が 夢なんじゃないか、と さえ思う。 というか夢なら はやく覚めてほしい。 あまりにも非現実的… というか、 はじめての経験ばかりで わけがわからない。 (……あれ?) ステージにいる先輩を見て、 そういえば…と 俺をさっきから抱えて 離さないヨウ先輩を見る。 ちなみに描写が ないだけであって、 ずっと抵抗中だ。 (やっぱり……) ここでひとつ、 今気付くとかかなり 遅い気もするが、 あることに気付く。 (制服が…違う?) なんでだろう…と 考えていると 俺の耳に理解し難い、 というか理解したくない 言葉がきこえてきた。 「それでは!! 生徒会長から、 今まで空席だった "副会長"の立場に立つ、 新しい生徒会メンバーの 紹介です…! 皆、静かにきいてね!」 ステージの中央に立っている 先輩が、 こちらを向いて 手で合図をする。 「…よし、お披露目だよ 笑顔ね、笑顔!」 「…………」 ……………え? トンッ、と階段を 上がっていく 俺を抱えこむ男は すごく楽しそうだ。 俺の視線に気付いたのか、 先輩はにこっと笑い、 「ほら、笑顔。」と言った。 ああ、笑顔ね、笑顔… … …… 「はあ!!!???」 いやいや待て待て待て。 おかしいだろこの状況…!! 副会長…って… え?っていうか…え? 冗談だろ? 「っ!!そうじゃない…ッ 離して…!離してくださ…っ」 混乱しながらも、 とりあえずこの格好で ステージの上に立ったら やばい、ということだけが はっきりしていて。 でも気付いたときには もうステージ上で。 突然の眩しさに 目が眩み、 思わず目を瞑った。 …本当は、 現実を見たくなかった からかもしれない。 .
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