*0Light* 俺の世界、君の過去。

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 君と出会ったのは確か  中学2年の春だった。 「なあっ 名前なんていうの? 俺さ、七瀬明って いうんだけど!!」 無口、無表情、成績一位。 そんな感じで俺は クラスどころか学年に1人も "友達"なんて 呼べるやつはいなかった。 必要性を 感じなかった俺は つくろうとも しなかったわけで。 「なあなあっ きいてるっ?」 「……。」 俺はきこえてはいたが 声がするほうを向かず 窓の外を見ていた。 人となんて 関わるだけ無駄だ。 気をつかうのだって 面倒くさい。 「まさかの放置www …えっと、 ご、じゅう…あらし君? よかったら話そ!!」 ごじゅうあらし…? …こいつ、馬鹿だ。 「いがらし。」 「へっ?」 「いがらしって読む。 この漢字。」 「まじか!いがらし!!? え、どうやったら そう読めるの えええ…」 ぶつぶつ、と 声の本人はまだ 話している。 まだ何か用か?と いまだに唸っている やつの方を向いてきく。 「五十嵐っていい名字だね! なんていうか中2っぽ… いや、かっこいいし!!」 そこにいた君は 俺の冷たい態度を もろともせず、 笑顔だった。 瞳をキラキラさせて、 俺に笑いかける君。 「あ!やっとこっち 向いた!! 俺さ、五十嵐君に 憧れててさ! よかったら友達に なってくれない?」 「は?」 同じ学年なら 俺の噂きいてるはず、 なのに…。 "つまらないやつ"だとか "人を馬鹿にしてる"とか とにかく、良い噂なんて 絶対きかないはずなのに。 『友達になって』 だなんて。 …第一印象は 変なやつ、だった。 .
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