*0Light* 俺の世界、君の過去。

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~明side~ ―…そう、あれは 夏休みの前の7月初めの頃。 今でも、覚えてる。 ―――…… 「あれ?お前らなんで? もう下校時刻、 過ぎてるよ?」 提出物を全く 出してなかった俺は 今の今まで 職員室で説教されていた。 (勉強する暇あったら ジャンプ読むっつーのww) なんて思いつつ 教室の扉を開けたら いつものメンツがいて びっくりした。 「あ、あぁ… ちょっとな。」 「あっ、もしかして 俺を待っててくれたの?w やっさしーwww」 「……。」 ……ん? 返事がない、 ただの屍のようだ。 いつもだったら 「んなわけねーよ馬鹿w」 なんて返ってくるのにwww 「どしたの? なんか変じゃね?w」 「…なあ、明。 今日これから暇か?」 「え?あぁ…うん。 これといって 用事はないけど… なんで?」 いつものメンツなのに、 空気が重い。 (なんでだろ…?) 「あっ!!そういえば ヒロは?」 ―ヒロ、もとい山本弘樹。 俺の一番の親友。 こいつがいつも 俺たちの中心。 (この空気はヒロが いないからだな…) 「先帰った。 今からさ、ヒロんち 行くんだけど… 明も来るだろ?」 「先帰った?w 酷いやつめwww んー…そうだな、行く!」 このままこんな空気で お別れってのも、 なんか後味悪いしな…。 そう考えていた自分が 今は憎い。 ―…この時俺は、 まだ何も知らなかったんだ。 こいつらの思いも。 ヒロの企みも。 これからの未来を壊す、 望まない未来も…。 何も知らないまま、 俺だけが 久々のヒロの家だ、と はしゃいでいた。 .
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