始まりは突然

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  空も晴れ渡り、空気も澄んでいる森の奥の城の昼下がりの出来事。 「暇だな。何故勇者は俺を討伐しに来ない。」 魔王城の執務室よりこんにちはー、魔王です。 もう昼下がりなのに、勇者は一組も現れないので暇で暇でしかたがないんですけど。 ここ20年くらい来てないんですけど。 これは迎えに行ってあげるフラグなのかね?ジジイにゃ最近の子が考えてることなんて分からないよ。 「なに考えてんのか分かりませんが魔王様、勇者が来ないことは良い事だと思いますよ? 死人でなくていいし、怪我人の手当てをしなくていいし、なにより城の修繕をしなくていいですしね。」 アイツら見た目ばっか派手な闘い方しやがって……と、ぼやいて遠い目をしているこいつは俺の側近。いいやつなんだぜ?どっかズレてるけど。 見た目だけなら城は壊れないと思うぞ。 「まあ、とりあえず仕事してくださいよ、し・ご・と! 変な気起こさないでくださいね。ただでさえ貴方の世話で忙しいんですから。」 ため息吐いちゃってるよ。 知ってるか? 苦労してるとハゲやすいらしいぜ。あれ?ストレスだっけ? どっちでもいいか。 俺のことじゃないしね。
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