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もしかしたら、月子に会ったら気持ちが冷めるかもしれないと、心の片隅で思っていた。
思い込みと、しつこく付きまとう後悔の念が、ただの執着心として月子を想わせているだけなんじゃないかと……
でも違った。
月子を目の前にして、想いは更に大きくなった。
けして見映えが良いわけじゃない。良く言って中の上。
仕事上のメリットなんて皆無だし、何か凄い才があるわけでもない。
どこにでも居る、普通の女。
それでも彼女は 、“そこに居る” というだけで俺の心をこんなにも満たしてくれる。
「明日が楽しみだな」
眠れそうもないと思いながらゆっくりと瞼を閉じる。
そこには真っ赤になった月子の顔が浮かんでいた。
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