第4話 覚醒

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「そ、そんな……我が兵士達が……!」 「陛下!早くこちらに!」 ミストラルに諭されてペルグランデ王は急いで出口へと向かう 「おっと待ちなよじじぃ共」 「ひっ!?」 しかし、その出口はサタンが炎で塞いでいた そしてゆっくりと背中に炎の翼を生やしてペルグランデ王達の上に飛んできた 「う、うわあぁぁぁあ!!」 「し、死ねぇぇぇぇ!!」 護衛の魔法兵と幹部がサタンに攻撃しようとするが、それより先にサタンが動いた 「てめぇらがな!!」 サタンがキッ!と睨んだだけで、魔法兵と幹部達の足元から漆黒の火柱が上がり、あっという間に燃え散らした 「ひ、ひぃぃぃぃ!!」 それを見ていたミストラルは、ペルグランデ王より先に逃げようと走り出した 「おっと……わりぃが逃がす気はねぇぜ?」 指先から炎が現れ、サタンはそれを弾丸のようにミストラルに向けて撃った 「ひ、ヒギャアァァァァァア!!」 その炎がミストラルに当たった瞬間、勢いよく燃え盛り、あっという間にミストラルは灰となって消えた 「ま、待て……」 「待たねぇよ」 ゴウッ!と闘技場は漆黒の炎によって辺り一面火の海になっていた そしてその中にいる兵士達は無惨にも灰となっていくばかり……しかし、クーデターを起こした魔導士達は、誰1人としてサタンの炎では死んでなかった 「まったくよぉ ガキの命令のおかげで、炎をうまく調整しながらやんねぇと反乱した奴等まで巻き込んじまう」 だるそうにサタンは言うが、どこか楽しげな感じがあった 「けど……嫌いじゃあない」 「な、何を……言っておるのだ!」 「なぁに気にすんな こっちの話さ とりあえず……お前はこのサタン様が直々に裁きを下してやる」 するとサタンの両腕に漆黒の炎が渦を巻きながら、激しさを増していく 「ひ、ひぃぃぃぃ!!」 「てめぇはその存在の一片すらも残すに値しない……灰まで燃え散りなぁぁぁ!!!」 「や、やめろぉぉぉぉぉ!!!」 「裁きの地獄業火(フレイム・ブレイカー)ァァァッ!!!」 サタンから放たれた炎はペルグランデ王を一瞬で包み込み、巨大な火柱を上げて燃えた 「さぁて……ここにはもうクズ共はいねぇな 次行くか」
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