第1話 セブンシンズ

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《今日はちゃんと風呂に入られるんだろうな?》 のんびりと街を歩いているとサタンがなんかぼやき始めた (今日は大丈夫だって ちゃんとした風呂のところに泊まるからさ) 《ならいいけどよ》 実は昨日止まった民宿は風呂はあったのだが、あまりの汚なさに7人は入る事を拒否したのだ とか言っているオレもその風呂には入らなかったけどね 「キャー!ウォーテル様だわー!!」 「ほらあそこにいるわよー!!」 「ん?」 前からバタバタと10人くらいの女の子達が目をハートにさせながら、勢いよく走り去っていく 《ウォーテル?》 (どっかのアイドルか何かかな?) とりあえず興味があるのでオレも引き返してそのウォーテル様を見ようとしよう 《あれがそのウォーテル様みたいだね~》 (そうみたいだな) 見た目はだいたい20代後半から30代前半といったところだろう 髪は金髪でガチガチにワックスで固めている 《……魔法の匂いがするよ》 どうやらベリィは何かを嗅ぎつけたみたいだ (なんの?) 《ちょっと待って これは……『魅惑(エルス)』だよ》 魅惑(エルス)とは人々(異性)の心を術者に引き付ける魔法の事で、香水のような容器に入って売っていた しかしそれは何年か前に販売が禁止されているはずなんだけど…… 《あんな偽りの魅惑魔法で女の子達の気を引こうだなんて、本当にやらしい奴!》 マミィは相当ウォーテル様にお怒りのようだ
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